ものがたりに栞をはさむ

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様々な「ものがたり」を楽しんで個人的な感想をのんびり書いていきます。好きな作品を誰かと分かち合えたらいいな。

ちはやふる(末次由紀)39巻

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8/9発売の「ちはやふる」39巻を読みました。

以下、感想です。

 

 


名人戦・クイーン戦予選。

 

この3人の関係は全てこの話のためにあったといっても過言ではない。

名人・クイーンを目指すだけの戦いではなく、かるたへの情熱をぶつけ合うような話だった。

千早・新・太一が中心の話でも、それ以外の周りの人たちの思いまで丁寧に描写してくれるところが毎度のことながら本当に素晴らしい。

次巻で新 vs 太一の決着がつく。続きがとても楽しみである。

 

 

 

今までの話全てが伏線だったのでは?と思うくらいすごい。

 

太一は、青春全部駆けてきた。新は、ライバルを得た。千早は、早く取るのをやめた。それぞれの真の強さが、39巻でようやく発揮されたように思う。

 

以前、肉まんくんが言っていた「綿谷新に勝つための毎日だったか?」というセリフ。

新と千早は名人・クイーンになるための毎日で、太一はきっと千早を一番近くで見るための毎日だった。

 

千早がクイーン戦で戦うときに札ガールを誰に頼むのか考えた際、太一が出てきたことがある。

もしかしたらそれは、千早がクイーンになる瞬間を一番近くで見ることになるのではないか?

 

運命戦になり、太一の手元にある札が「せ」だったのが意外だった。

新と千早にとっての「せ」は特別な札だが、太一が最後まで手元に残していたのは、太一も新に会いたかったのだという気持ちの表れだろうか。