賭ケグルイ(河本ほむら・尚村透)10巻
8/22発売の「賭ケグルイ」10巻を読みました。
以下、感想です。
再びユメミちゃんメインのお話。
自分の夢のために努力している彼女が中心になると、他の生徒会役員たちの回とは違った展開になる。
ギャンブル要素は弱くなるが、誰よりも勝負に負けられないという気持ちが強いので夢子よりも応援したくなる。
夢子と比べるとユメミちゃんがまともに見えるのはいつものこと。
それどころか百喰一族が濃すぎて生徒会役員たちがとても人間的な集団になってきている。妄ですら。
今回は鈴井くんと伊月は完全に観客で、芽亜里は別行動なので少し物足りなさはあった。
芽亜里とリリカが共闘するとなれば、今後ますます夢子たちとの絡みが減ってしまうのではと不安である。
でも芽亜里が選挙戦を勝ちきって生徒会長になる展開も見たい。
真っ先にユメミちゃんに正論を言ったのが妄というところに驚いた。
今更ながら2人とも2年生同士だということに気づいた。たしかに清華よりは妄の方がユメミちゃんに近い。
伊月は1巻ですでに生徒会を首になっているので、生徒会の中での彼女の立ち位置は謎である。
ユメミちゃんは票を集めているが、やはり生徒会長になる気はないとのことなので誰を会長にしたいのだろうか。
誰が会長になっても利用する気でいるのだろうが、恩を売る算段はあるのだろうか。
彼女はアカデミー賞を狙うためなら文字通りなんでもするので、ギャンブルは向いていないように思う。
学園内でファンという大きな力を持っていることは確かなので学園を支配するにあたっての影響力は大きいが、もし芽亜里が生徒会長になったら、鈴井くんがファンであるユメミちゃんを近くに置いておくとは思えない。
顔を隠していた百喰一族の1人が女優だったという展開にはなるほどと思った。
それぞれの稼業を大事に考えている百喰一族の中に「芸能」を稼業とする女優がいることは、ユメミちゃんが選挙戦で上位に残っている時点で気づくべきだった。
ユメミちゃんはかっこ悪い勝ち方をしたと言っていたが、名足カワルに認められたというだけでも彼女は誇るべき勝利をしたと思う。
百花王学園においてギャンブルにもお金にも執着せずはっきりとした夢があるユメミちゃんにとって、狂っていてしかも自分を負かしたことのある夢子と協力するというのはどういう心境なのだろう。
興味ないように見せておいてしっかり夢子たちの戦いをチェックしている芽亜里には、一番幸せになって欲しい。
次巻は芽亜里とリリカの話になるかと思いきや、予告を見ると尾喰凛がメインのようで、1冊につきギャンブル一試合という今までの流れとは違うのかもしれない。