ものがたりに栞をはさむ

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様々な「ものがたり」を楽しんで個人的な感想をのんびり書いていきます。好きな作品を誰かと分かち合えたらいいな。

映画 旅猫リポート

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10/26公開の映画「旅猫リポート」を観ました。

以下、感想です。

 

 


有川浩の小説で特に好きな作品。

犬や猫などの動物好きにとってはたまらないお話で、たとえ動物が好きでなくともペットを飼いたくなるに違いない。

脚本も原作者が全面協力しているとのことで、大きな期待を抱いて映画館へ向かった。

 

まず、猫のナナがとんでもなく可愛い。

猫なのにしっかり演技をしている。

ナナの飄々とした喋り方も、高畑充希の声がとてもよく合っていた。

 

 

 

悟の死期が近い匂いを、ナナは感じている。

それでも彼は、最後まで悟と一緒にいると誓い、その思いが悟やおばさんにも届く。

自分の猫にそう思ってもらえるほどの愛情を愛猫に注ぐことができた悟は、どれだけ悲しい人生でも幸せだったに違いない。

小説を読んだ時も中盤から泣きっぱなしだったが、高畑充希の声は余計に涙を誘った。

 

ナナの名前の由来は端折られていた。

尺の問題ではなく、おそらく鍵しっぽの俳優ハチワレ猫がいなかったからだろう。

また、茶トラの話も省略されたが、持ち上げられた茶トラが足をだらんと下に伸ばしていたのは狙ったのだろうか?

 

最後、悟が死んだ後におばさんが子猫を拾う話はなかった。

ナナがおばさんの家の猫のようになって終わってしまうのは少し違う気もしたが、とても幸せな終わり方だった。