賭ケグルイ(河本ほむら・尚村透)11巻
3/22発売の「賭ケグルイ」11巻を読みました。
以下、感想です。
副会長・桃喰リリカのギャンブルが初めて見られる話。
芽亜里との共闘のため、リリカは自分の実力を見せようとする。
今まで、強者として出てきてはいたが素性が見えなかった尾喰凛。
綺羅利にも勝ってしまう凛に勝てば、芽亜里はリリカのことを認めるしかない。
幼少期の百喰一族のシーンを見ると、狛喰希とリリカは昔から仲が良かったのかもしれない。
だが、リリカの「対等な相手」という言葉は本心なのか、相手の心を操る能力に長けているのか。
どちらだとしても希のことは裏切らないであげてほしい。
リリカは綺羅利の影武者のように生きていたからこそ、百喰一族のことを誰より客観的に見ているのかもしれない。
そのため、みんなの心を読むことも操ることも無意識のうちにやっているのだろうか。
リリカがギャンブルも強いのは驚いた。
今まではギャンブルにハマってはいなかっただろうし、もしかしたら誰ともやったことがないのではないか。
狛喰家の稼業がわからないままだが、犬に関係していることは確かだ。
犬と常に触れ合っているおかげで素直なのだろう。
尾喰家と対比されていることでより素直さが際立っていた。
ギャンブルに詐欺師が出てきたらどうしようもない。
他の一族の稼業はあまりギャンブルに関係のないものばかりである。
「詐欺」を稼業とする家があるのに、綺羅利が学園をギャンブルの水槽にしたのは凛への当てつけだろうか。
ここであっさりリリカに負けてしまうとは思わなかった。
茨は以前にも出てきたが、骨喰ミネスラーヴァが裏切り者だとわかった時に一族であるにも関わらずゲーム上であっさり切り捨てていた。
それなのにゲームが終わった後はミネスラーヴァのことを責めるでもなく、特に仲が悪くなった感じもなかったのが不思議だった。
ようやくここで謎が解けた。
今まで出てきたことのない選管だったので違和感を感じていたら、案の定だった。
本物がちゃんといたのは面白かった。
るなが出てくると安心する。
彼女はあくまで自分の信念に忠実なので、ある意味誰よりも信頼できる。
るなを頼ったリリカはさすがである。
希を観客にした理由はなんだろうか。
今後また共闘するために登場してほしい。
リリカは芽亜里に力を見せるために戦い始めたが、ギャンブルに勝ったためもっとその快感を味わいたいと思ってしまったのだろう。
だが彼女のギャンブルの目的は、勝つことではなく凛と茨を救うためだったように見える。
その点において、リリカと綺羅利は似ていない。
綺羅利がリリカを副会長にした理由はなんだろう。
自分の影武者であり駒だと思っているのかもしれないが、もしかしたら二人で一人という意識があるのではないかと思った。
リリカがカタカナなのも何かの伏線だろうか。
リリカが芽亜里と共闘するよう命じたのは綺羅利だった。
あっさり出てきたが、やはり綺羅利は芽亜里に生徒会に入ってほしいか、自分の座を狙ってほしいのかもしれない。
勝った方にも負けた方にも綺麗な結末が用意されているのは賭ケグルイの魅力の一つだと思う。
安心して読んでいられる。
リリカの素顔が可愛い。
決して笑わないのによく照れるところがまた可愛い。
感情が駄々漏れている。